第31回東京国際映画祭 東京ジェムストーン賞(リエン・ビン・ファット)、オーストラリア映画監督協会賞 ACS賞(長編部門)/審査員賞/撮影監督賞/ゴールデン・トライポッド賞(長編部門)、サンディエゴ・アジアン映画祭観客賞、北京国際映画祭 最優秀新人監督賞、ASEAN国際映画祭最優秀脚本賞、ロサンゼルス・アジアン・パシフィック映画祭 審査員特別賞

ベトナムの民族楽器ソンランの響きにのせて孤独な二人の人生がひととき交差するボーイ・ミーツ・ボーイの物語

ソン・ランの響き

2020年2月22日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー

監督:レオン・レ キャスト: リエン・ビン・ファット/アイザック/
スアン・ヒエップ 
2018年/102分/ベトナム ©2019 STUDIO68
提供:パンドラ 配給協力:ミカタ・エンタテインメント 
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
協賛:ベトナム航空

AWARDS 受賞歴

第31回東京国際映画祭 東京ジェムストーン賞(リエン・ビン・ファット)、オーストラリア映画監督協会賞 ACS賞(長編部門)/審査員賞/撮影監督賞/ゴールデン・トライポッド賞(長編部門)、北京国際映画祭 最優秀新人監督賞、ASEAN国際映画祭最優秀脚本賞、サンディエゴ・アジアン映画祭観客賞、ロサンゼルス・アジアン・パシフィック映画祭 審査員特別賞、ニューヨーク・アジアン映画祭 観客賞、アジアン・アメリカン国際映画祭 観客賞/新人監督賞、ファーゴ・ムーアヘッドLGBT映画祭 撮影賞、フレームライン・サンフランシスコ国際LGBTQ映画祭観客賞、トゥデイTVフェイス・オブ・ザ・イヤー賞 長編部門最優秀主演男優賞/長編部門最優秀作品賞/最優秀美術賞、ホーチミン・シネマ・アソシエーションVCA賞最優秀男優賞/美術・衣装賞/最優秀作品賞、ベトナム映画協会ゴールデン・カイト賞最優秀主演男優賞/撮影賞/シルバー・カイト賞最優秀作品賞、シャルム・エル・シェイク・アジアン映画祭 サミル・ファリド賞(長編部門最優秀作品賞)/監督賞(ジェド柱賞)、テルアビブLGBT映画祭観客賞

INTRODUCTION 解説

ベトナムの民族楽器<ソン・ラン>の響きにのせて
ふたりの男の出会いを描く感動作!!

80年代のサイゴン(現・ホーチミン市)。取り立て屋ユンは、ベトナムの伝統歌舞劇<カイルオン>の花形役者リン・フンと出会う。ふたりは初めは反発し合っていたが、停電の夜ユンの家にリン・フンが泊まったのをきっかけに、心を通わせていく。実はユンはかつて民族楽器<ソン・ラン>の奏者を志した事があり、楽器を大切に持っていたのだった・・・。

世界各地で映画賞多数受賞の話題作!

ユン役のリエン・ビン・ファットは、本作がデビュー作ながら、第31回東京国際映画祭で、新人俳優賞に相当するジェムストーン賞を受賞。リン・フンはベトナムのアイドルグループ<365daband>の元メンバーであるアイザックが演じている。なお、レオン・レ監督は少年期に渡った米国から帰国し、監督デビューした本作で、世界各地の映画賞を続々と受賞中!

STORY 物語

1980年代、サイゴン(現・ホーチミン市)。ユン(リエン・ビン・ファット)は借金の取り立てを生業とし、返済が遅れた客には暴力もいとわず、周りから“雷のユン兄貴”と恐れられていた。ある日、ユンはカイルオンの劇場に借金の取り立てに行く。団長が「支払えない」と言うと、舞台衣装にガソリンをかけ燃やそうとするユン。止めに入る劇団の若きスターリン・フン(アイザック)。彼は自らの腕時計と金の鎖を差し出すが、ユンは受け取らず無言のまま立ち去る。翌日の夜、ユンはカイルオンの芝居を見る。演目は「ミー・チャウとチョン・トゥイー」。敵対する国の王子と王女が、婚姻の契を結ぶが、戦に巻き込まれ引き裂かれる悲恋物語だ。主役のチョン・トゥイーを演じるリン・フンの妖しい美貌と歌声に魅せられるユン。

ある日、町の食堂で一人食事をしていたリン・フンは、酔っぱらいにからまれ、殴り合いになる。たまたま居合わせたユンは加勢し、酔っぱらいを追い払うがリン・フンは昏倒してしまう。ユンの家で目覚めたリン・フンはその夜の芝居に穴をあけてしまったことを後悔し、急いで出ていくが、鍵をなくしていた事に気付き、再びユンの家を訪れる。始めはぎこちない二人だったが、テレビゲームに興じるうちに次第に打ち解けるようになる。すると停電になり、仕方なく外に出る。屋台で麺を食べながら流しの老人の歌を聞いたリン・フンは、その歌が自らの人生に重なると言う。するとユンは、父がカイルオンの伴奏者だったと語るのだった。リン・フンは、カイルオン出身者のヤクザは初めてだと驚き、自分の両親は役者になることを反対していたがやがて許してくれたと語る。だが初主役の舞台を見に来る途中、バスの事故で死んでしまった、立派な役者になるには悲しみも経験しなければならないのだ、と。

リン・フンが、ユンの机から見つけた読み古された本。それは自分も好きな本だった。本の中に挟まれていた紙に詞が書かれてあった。ユンは、父が書いたもので歌ってくれと言う。伴奏がなければ歌えないと言うリン・フン。するとユンはソン・ランを箱から取り出す。ユンの伴奏で歌うリン・フン。それは、結婚に破れ妻に去られた男が、苦しみを歌ったものだった。リン・フンはユンの腕前に感心し、家業だったカイルオンの道に戻ることを勧めるのだったが……。

ソン・ランとは?

ベトナムの民族楽器で、楽曲の最初と最後で用いられる。直径約7センチほどの中空の木の胴と、弾性のある曲がった金属部品と、その先に取り付けられた木の玉からなる打楽器で、伝統的な室内楽の拍を打つのに用いられる。演奏者、役者双方にとってリズムの基礎となり、ベトナムの現代大衆歌舞劇「カイルアン」の音楽の魂であり、公演には欠かせない。なお、「ソン・ラン」とは「二人の(Song)」「男(Lang)」との意味もある。

カイルオンとは?

20世紀初頭のベトナム南部で誕生し、1930年代のフランス植民地下、中産階級の劇場で花開いたベトナム南部の大衆歌舞劇の一つであり、いわばベトナム版オペラ。特に60年代のベトナム南部で人気があった。ベトナムの民謡、古典音楽、現代演劇の集約である。

CAST キャスト

STAFF スタッフ

監督・脚本 レオン・レ Leon Le

1977年サイゴン(現ホーチミン)生まれ。俳優・ダンサー・歌手として活躍した後、幼い頃からの夢であった映画監督の道へと進む。製作した短編映画『Dawn』、『Talking to My Mother』はベトナム国内で高い評価を得、『ソン・ランの響き』で長編監督デビュー。本作はベトナム映画協会最優秀作品賞、北京国際映画祭最優秀監督賞、サンディエゴ・アジアン映画祭観客賞など、国内外で現在までに合計37の賞を受賞している。写真家としても活動中。現在はニューヨーク在住。

プロデューサー ゴ・タイン・バン Ngô Thanh Vân

『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』(2017)で、ローズの姉ペイジ役を演じたベロニカ・グゥこと、ゴ・タイン・バン。現在のベトナム映画界を代表する女優であると同時に、ベトナム映画界を牽引する革命児である。1979年、南部メコンデルタのチャーヴィン省に生まれ、10歳で家族ともにノルウェーに移住。1999年、ベトナムに帰国し、2000年に「ミス・ベトナム・フォトジェニック」の3位入賞をきっかけに、モデルとしてのキャリアをスタート。2002年には、テレビドラマ『栗の香り』で主役を務め、歌手としてデビューアルバム『恋人の園』を発表。2006年、『サイゴン・ラブ・ストーリー』でスクリーンデビューを果たす。2007年『The Rebel 反逆者』で戦うヒロインを熱演、華麗な打点の高い回し蹴りも披露し、第15回ベトナム映画祭で最優秀女優賞受賞。女優として成功する傍ら、起業家としても活躍、2009年9月タレント事務所ベトナムアーティストエージェンシー(VAA)を創立、2010年12月16日に4人組ボーイズグループ365daband(2016年7月に活動休止)をデビューさせ、タレント業でも成功を収めた。さらに、スタジオ68という制作チームを率いて、2015年から映画製作にも進出し、アクション・ファンタジー『ロスト・ドラゴン』を初プロデュースと主演も。2016年には、アクション・ファンタジー『フェアリー・オブ・キングダム』を初監督し、プロデューサーとして事務所の365dabandを俳優として起用、彼らが歌う主題歌のおかげで、映画も大ヒット。2017年には、コメディSF『サイゴン・クチュール/Cô Ba Sài Gòn』では出演・プロデュースし大ヒット。レトロなアオザイのリバイバルを起こした。2018年に入り更に勢いを増し、ロードムービーコメディ『帰省して正月を祝う』で出演とプロデュース、さらに、『やさしいあなた』(2014)のレ・ヴァン・キエト監督によるアクション映画『ハイ・フォン』主演。本作はR-15作品ながら、ベトナムの歴代興行記録を塗り替え、北米でもロードショーされた他、日本でもNetflixで見ることが出来る。
(「サイゴン・クチュール」プレスより引用)

COMMENTS コメント

睡蓮みどり(女優・文筆家)
映画にはどうしても見逃してはならない瞬間がある。二人の美しい男が出会うとき、瞬きするのも忘れてすでに誘い込まれている。愛の始まり、あの瞬間、この瞬間も、世界は二人のものだと錯覚したくなるほどに。
加藤るみ(タレント)
青年ふたりの目は無情なのに優しい。
人生の物足りなさや曖昧さを感じていた彼らがお互いの心を通わせた時、このふたりをずっと見ていたいと思いました。
ベトナム映画の魅力にどっぷり浸からせてもらいました!
東小雪(元タカラジェンヌ/LGBTアクティビスト)
心に傷を抱えて生きるふたりの純愛。
時代や国や文化が違っても、そして同性同士でも、普遍的な愛がある。
力強く生きなければならない現実と、内に秘められた人間らしい優しさ。
切なさと美しさに、胸が震えます。
溝口彰子(『BL進化論』シリーズ著者)
緑と琥珀に染まったこの場所は、1980年代のサイゴンであり、ウォン・カーワイの60年代香港にも通じる「魔法の空間」でもある。ユンとリン・フンに感情移入しているつもりが、魔法(映画)に絡めとられる快楽。
松崎健夫(映画評論家)
世の中には“知られざる人生”がある。誰かに告げることも、誰かが語り継ぐこともない、それゆえ誰にも知られることがない、とてもパーソナルな物語のことだ。そんな小さな物語が誰かの人生を変えてゆく。ここにあるのは、かくの如き秀麗なる邂逅だ。
相田冬二(映画批評家)
相手の「負」の部分こそを敬うこと。
リスペクトの本質と、友情の根源。
深くすがすがしい筆致で、映画『ソン・ランの響き』は、それを明らかにする。
ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン、美術家)
AMラジオから漏れる音、ブラウン管テレビから発する光、カイルオンの弦楽器ダングエットやベトナムギターが奏でるビブラート。揺らぎ定まることのない数々の波は、人々の生と性の在り方にも影響を及ぼす。曖昧であることの美しさと正しさ。そんなに昔ではないロマンがまだあった時代の小さなお伽噺。
小野美由紀(作家)
影と光のように、二つで1つの孤独な魂たちが妖しげな路地で密やかに溶け合う。
日本よりも「陰翳礼讃」という言葉の似合うサイゴンの街並みの美しさ、
物語が進むにつれメキメキ色っぽくなる二人の名優。必見!

THEATERS 劇場情報

地域 劇場名 公開日 電話番号
ステイホーム 
おうち映画館
上映終了
東京都 K's Cinema 上映終了 03-3352-2471
東京都 アップリンク渋谷 上映終了 03-6825-5503
東京都 下高井戸シネマ 上映終了 03-3328-1008
東京都 新文芸坐 上映終了 03-3971-9422
神奈川県 横浜シネマリン 上映終了 045-341-3180
神奈川県 シネコヤ 上映終了 0466-33-5393
北海道 シアターキノ 上映終了 011-231-9355
青森県 シネマディクト 上映終了 017-722-2068
岩手県 盛岡中央映画劇場 上映終了 019-624-2879
栃木県 宇都宮ヒカリ座 上映終了 028-633-4445
群馬県 前橋シネマハウス 上映終了 027-212-9127
宮城県 フォーラム仙台 上映終了 022-728-7866
愛知県 名演小劇場 上映終了 052-931-1701
長野県 塩尻・東座 上映終了 0263-52-0515
富山県 ほとり座 上映終了 076-422-0821
大阪府 シネ・ヌーヴォ 上映終了 06-6582-1416
京都府 京都みなみ会館 上映終了 075-661-3993
京都府 シネ・グルージャ 2021年
7月25日(日)〜
8月7日(土)
0773-60-5566
兵庫県 元町映画館 上映終了 078-366-2636
岡山県 シネマ・クレール 上映終了 086-231-0019
広島県 シネマ尾道 上映終了 0848-24-8222
広島県 横川シネマ 上映終了 082-231-1001
山口県 萩ツインシネマ 上映終了 0838-26-6705
福岡県 キノシネマ天神 上映終了 092-406-7805
佐賀県 シアターエンヤ 上映終了 0955-53-8064
宮崎県 宮崎キネマ館 上映終了 0838-26-6705
鹿児島県 ガーデンズシネマ 上映終了  099-222-8746
沖縄県 桜坂劇場 上映終了 098-860-9555

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